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プロのコーチはどのような場面で成功を感じるのか?ここではコーチングを受ける側でなく、行う側から見た成功談を紹介します。
プロコーチとして活躍する柴山甲子朗氏(アビリタ株式会社 代表取締役)にお話をお伺いしました。
ある大手企業のいわゆるエリート社員。部下もできて指導する立場にあるクライアント様から、何度目かのコーチングのときに「自分の深いところにある、真の課題に気づきました」という言葉をいただいたことがあります。それはたった一言で目が覚めるような気づきではなく、これまでのプロセスの中で、いろいろな気づきを経て得られた感覚だと感じました。
その方が普段関わっていらっしゃる上司やメンターや、はたまた人生の師といった方々との関わりを思い出して、自分がどんなことを大切にしたいのかを改めて握りしめられたような気づきでした。
もし、コーチングで他者と関わることがあるなら、クリティカルヒットのようなものをイメージすると期待し過ぎかもしれません。人の気づきとはとても静かに起こることがほとんどです。
日々の業務に忙殺されて、目の前のことだけで精一杯になっていたクライアント様。お話しながらも「意識を外に向ける大切さ」がひしひしと伝わってきて。そのとき僕の口から出たのが「一回空見ましょうよ」という言葉でした。
今はコーチングは一旦終了していますが、時折「今でも時々空を見上げています」とメッセージをいただくことがあります。コーチングが終わった後も、引き続きクライアントのモチベーションアップに関われているのは、プロのコーチ冥利に尽きますね。
僕も空を見るたびにその方を思い出します。
プロのコーチとして、ときに自分よりも年齢やステイタスが上の方を相手にコーチングを行うことがあります。コーチして信頼していただき、実際にビジネスでの相談を受けることも。その内容が高度すぎて全然ついていけなかったことも正直ありました。理解するのにものすごく努力した記憶があります。かなり勉強しましたよ。
コーチングの現場では、たしかにコミュニケーション力は必要です。しかしそれと同じくらいに大切なのが、クライアントの業界知識だったり、取り組まれていることに対する見識を深める必要があります。まずはクライアントのことを知らなければ、的確な判断や質問は出てきません。
コーチングでは「答えは相手の中にある」という考えがあって、相手が答えを持っているんだから、コーチはそれらしい質問をすることで引き出せると勘違いしている人もまだまだいます。この言葉の意味は「コーチは自分の意見を押し付けない」という教訓です。相手のことを何も知らなくても大丈夫という意味では決してありません。クライアント様の世界観を共有するためにも、日々勉強は必要です。
あるクライアント様は身長が高く、とても威厳のある方。言い方を変えれば威圧感のある方でした。御本人もそれを気にされていて、いつも猫背で優しい口調を心がけて、いつの間にかそれがクセになっていました。
係長や課長といった職位なら、それも有効な方法だったでしょう。しかし今のクライアント様は部門のトップを任されて、尚且つ数多ある全国の支社・支店に号令を出す立場でした。
そこで気になって聞いたのが「もう今は中間管理職ではない部門のトップですよね。もう堂々として良いのではないでしょうか?」という言葉。それを聞いた瞬間に「ああ、今は俺が引っ張る立場なんだ…!」と自覚されたそうです。「あれ以来背筋をピンと伸ばして歩いています」というメッセージをいただいたときも嬉しかったですね。今でも印象的に覚えています。
コーチングがその人にとってどのような効果が得られたのか?それはあくまでもその方の感覚であって、僕がピンと来るものではありません。メカニズム的に言うと、使う言葉が変わったときに、変化を感じ取れるというのが近いと思います。「こんなこと考えたこともなかった…」と言いながら考えこまれたり、思い出したかのように話があふれてきたり。そういう変化を見たときに、パワーが入った瞬間だなと感じることがあります。
うまく言葉にできない感覚と、理論的に説明できない感覚はつながっているかもしれません。普段なら入らない言葉が、その場面だとすーっと入っていったり、それもまた瞬時に消えていくんだけど何となく残っていく。そんな場面があります。
ずっと理系で技術屋をやってきて、理論でもって人と関わり指導してきたわけです。そんな自分がコーチングを学び始めたとき感じたのが「感情の国のパスポートを手にした」というものでした。
もともと理屈的にコンサルティングをしていたけれど、コーチングを通じて人の感情に寄り添うことを訓練したら、人の気持ちがわかるようになってきました。恥ずかしながら(笑)。
この体験から、技術屋やビジネスマンといった理論優勢で動く場面の多い人だからこそ、コーチとしての伸びしろはとてつもなく大きいと感じます。理と情をもつことで、両方からのアプローチができるんです。
そう思えたのは自分が受けたコーチングがとても有効だったから。理論の国のパスポートだけでなく、感情の国のパスポートももつことで、人生が豊かになる経験をしたから、コーチングを生涯の仕事にしようと思えたのです。
聞き上手だとコーチングも上手、といった場合もありますが、このように理論的に動いてきたからこそコーチングがうまくいくという人はとても多いそうです。ビジネスの場面でコーチングを活用して上昇していく人が多いのはなぜか?その理由の一つと言えるでしょう。
日本国内でコーチングを教えている講師がもつ資格の中で、その【コーチング実績主義】でどこよりも厳しい取得基準をもつ国際コーチング連盟(ICF)資格。特に上位資格をもつ講師なら、経験値や高い指導レベルにあると言えます。
①ICF資格をもつ講師が教えている②ICF資格取得認定コースである③コーチ養成が主目的の講座である
以上の条件をクリアしているコーチングスクールをピックアップいたしました。
※選出条件:「コーチングスクール」でGoogle検索して10ページまでに表示されたコーチング会社・協会の中で、IFC認定コーチが在籍しており、体験コースを実施しているスクールをピックアップしています。(2023年5月24日時点)
国際コーチング連盟認定資格の取得条件は下記の通り
MCC 専門トレーニング:200時間修了/コーチング実績35名以上最低2,500時間(有料2,250時間含む)
PCC 専門トレーニング:125時間修了/コーチング実績25名以上最低 500時間(有料 450時間含む)
ACC 専門トレーニング: 60時間修了/コーチング実績 8名以上最低 100時間(有料 75時間含む)