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コーチングは大人同士のコミュニケーションに限定されません。教師と生徒のように大人と子供の意思疎通でも、使い方次第で異なる結果が出るもの。特に気をつけたいのが、注意をする時のコミュニケーションです。
学校でよくある会話の一つが、忘れ物がひどい生徒と教師のやり取りです。
忘れ物をしてしまった生徒に「忘れないと約束したのにまた忘れたのか!」からスタート。萎縮してしまい黙り込む状態に追い討ちをかけるように「返事をしなさい。何が悪かったか説明しなさい」とまくし立ててしまう状態にまでエスカレートしました。約束を守らなかったことが悪いという生徒に最後は「明日こそ忘れてはダメだ。あなたのために叱っているのに、また忘れたらもう知らないぞ」と締めくくってしまい、生徒自身がどうしたら忘れ物をしない状態になれるかという答えを出していません。
もう一方は、まず忘れ物をした気持ちを表現させ、どうしたら改善できるかを一緒に考えて、それを行動としてどうすれば良いかを確認しました。さらに連絡ノートに赤ペンでメモをするなど、具体的な実行プログラムとして示す。さらに教師も気を付けるようにするから一緒に頑張ろうと励ましの言葉で終わる過程を丁寧に行いました。この場合、生徒が忘れ物をしやすい状況を自ら考えた行動で解決していく力が付くので、忘れ物に限らず問題解決能力が養われるという結果になります。
教育者としての立場であると、つい生徒のためにコーチングを学びそのスキルを使用すると思いがちです。しかし、教師自身の教師力アップにも貢献するのがコーチング。それはコーチングのスキルはコミュニケーション力に直結しているからこそなのです。
教師は生徒のみならず、保護者を相手にしたり教員同士のコミュニケーションが求められます。コーチング講座を受講した教員へのアンケート結果では、「コーチングを学んだ後、自らの児童生徒への対応に何か変化 があったか?」の問いに対し、「ゆっくりと時間をかけて子どもの話を聞くように心がけている」、「子どもの考えを大事にして授業を進めるようにしている」という回答がありました。これはコーチングに「人は無限の可能性を持っている」「答えはその人の中にある」 という二つの教育観があり、コーチングを受講した教師たちの考え方も発展し、聞くスキルが伸びたことを意味します。
自らが話をして生徒に教える立場の教師が、逆に相手の話をじっくりと聞いてその人が持つ能力を最大限に引き出す。それは教師に欠かせないスキルであり、教師自身のコミュニケーション力、人との良好な関係を築く教師力も上がったことにつながったでしょう。
日本国内でコーチングを教えている講師がもつ資格の中で、その【コーチング実績主義】でどこよりも厳しい取得基準をもつ国際コーチング連盟(ICF)資格。特に上位資格をもつ講師なら、経験値や高い指導レベルにあると言えます。
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